漫画雑記

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『九龍ジェネリックロマンス』37話から40話ネタバレ・感想

後に生まれた人格は最初を超えるのか?

九龍ジェネリックロマンス 眉月じゅん ヤングジャンプコミックス 集英社

37話~40話までのネタバレ・感想

 となりのヤングジャンプにて有難いことに連載の後追いで無料で読める。
微力ながらでも応援するのであれば、購入が一番ですが……。

37話までは被ってますが、ここにも書いています。

natuhadukioku.hatenablog.com

 37話
あらすじ

鯨井Bの本棚には令子の知らない本が並ぶ。
ミステリーを一冊手に取り読んでいると楊明から電話が入る。
本を戻す時、引っかかりを感じ手をのばせばダイヤモンドの指輪があった。
楊明と令子は鯨井Bと工藤さんは未来を約束していたのだと推察する。
その頃蛇沼とグエンは二人で旧い映画を観ていた。
人気のある女優を見つつ、蛇沼のクリニックにもこの顔にしてほしいという患者が多いと言う。
グエンから同じ顔になるものなのかという問いに対し表情筋などにより全く同じにはならないという蛇沼。
グエンは蛇沼にどこへでもついていくし、どこへでもつれていくと告げるも蛇沼にあしらわれてしまう。
約束を口にするグエンに蛇沼は約束をするとどこにもいけなくなるからやめろと言う。
蛇沼との会話でグエンは工藤と鯨井Bのやりとりを思い出す。
金魚が好きなのかという話から生き物を飼ってしまうとどこにも行けなくなる、という鯨井Bをじっと見つめるグエン。
そして工藤が一人で座る鯨井との想い出の場所の外では金魚が泳いでいた。

・同じ顔でも環境で顔は変わる。
・約束をしてしまうとどこにも行けなくなる。

経験によって全然違う考え方になるし表情の動かし方も違う。
だから違って見えるし、違って行く。

物語の鍵ですが、それなのに令子と鯨井Bはそっくりだし、グエンもそう。
恐らく他の人達もそう。

この辺りの答えが物語にどう絡むのか。
そしてそれとは対照的にみゆきちゃんは美容整形を行い人の顔を望みの通り変えるし、楊明だって整形をしていて誰かはわからない状態になっている。

でも、どんなに変えようとも自分は自分。
好みの器に乗り換えるだけ、といえばそうなのかもしれない。

後は約束の話。

指輪を見て未来を約束していた。
付いて行くし連れて行くという約束はするな。
生き物を飼うと動けなくなる。

約束に縛られてしまうと自由になれない。
どんな状況であってもみゆきちゃんのそばにいたいと願うけれど、みゆきちゃんはそれを許さないのかな。
いずれこの約束に縛られてくれるのかな。

金魚は鯨井Bの象徴のように使われていますよね。
自由なようで自由ではない。
水槽の中に漂う存在。
お店の外に金魚が浮かぶのも暗喩なんでしょうけれど、店の中ではなく外が水槽という意味。

 

38話

 あらすじ


隈が酷い工藤と鯨井。
工藤は眠りが浅いためであり、令子は本を読んでいたから。
続きが気になるも日本の本が売っているお店は周りにないため工藤に教えてもらい行くことに。
そこに楊明も一緒に行くと言いだす。
書店は劣化した配管がむき出しになっている場所に在り、何が降ってくるかわからないため傘を差している。
書店員は小黒。
ここでもバイトをしていることに驚く工藤。
令子は探している本を見つけるものの文章が乱れて読めない。
工藤に説明すると読んだことがあり面白くなかったと言い、ラストを告げてこようとするため止める令子。
面白いかどうかは自分で判断したいという令子。
そして読める本として手に取ったのは他国のことがわかる本。
工藤の脳裏には鯨井Bが浮かぶ。
鯨井Bは九龍以外興味無かったと言っていた。
楊明は令子に対し鯨井Bに対して甘くないか、と言うも鯨井は工藤のことも鯨井Bのことも全て知りたいと言う。
そんな鯨井を楊明は欲張りだと告げ、令子も生きるとはそういうことだと言う。
そして工藤は一人屋上でタバコを吸い黄昏ていた。

 

・その内壊す予定の九龍は危ない場所もそのまま放置。
・いろんなところに出てくる小黒。
・鯨井は他国に興味あり、鯨井Bは九龍にのみ興味がある。
・生きることは欲張ることだと言う鯨井。

容姿が同じなのに中身が違うことに何とも言えない表情の工藤。
同じだからこそ気になるのに、中身が違うことでやっぱり違うのか、と突きつめられる感じ。
ただ、工藤としては好きだった相手でしかも結婚したいとまで思っていたのだから気持ちの切り替えも難しい。
令子が自分を好いているのだろうことが分かれ分かるほどキツイですよね。
また、小黒はどういう役割なのか。
重要な場面に出てくる小黒。
チェシャ猫的な役割なのか…。
令子自身は全てを知って、それでも工藤の手を取りたいと思っているのだろうか。

全てを知るということは案外辛いことかもしれない。
工藤は中身の違う令子をどうしたいのか。
容姿が同じだから惹かれて性格を知ってもそれでも惹かれる。


終わりまでに九龍の行く末とジェネリックテラがどうなるかわかるのかな。

39話
あらすじ

いちゃつくみゆきとグエン。
今日はテレビ出演があると言い出て行く。
番組の内容は整形外科について。

みゆきちゃんの独壇場でかっこ良かった。
蛇沼がどこまで絡んでいるのか不明だけど、みゆきちゃんとグエンさんが幸せになってくれたらいい。
整形の話なのですが、結局はこの物語の根幹なんですよね。
外見と中身問題。

みゆきちゃん、設定特盛りなので本当幸せになってほしい…。
その隣にグエンさんがいてくれたらもう、いい。
これだけ広げたので風呂敷畳めるか否かが本当に重要だと思う。
匂わせ設定盛り盛りだったら…。

39話読んだ後に当然感想書いたと思っていたら書いてなかったため短い。
でも、言いたいことは大体みゆきちゃんが可愛いとグエンさん格好良いなので…。

40話
あらすじ

古い家電を直してもらう鯨井。
買い替えればいいと言いながら修理する工藤に対し気に入っているからと返す。
修理のお礼に夕飯を奢ると言う鯨井。
二人で出かけるとその先からバニーガールの女性がやってくる。
彼女はクラブの従業員。
工藤行きつけのクラブにて以前会った陳の行方を気にかけるも答えは出ない。
まるで夜逃げのようだった、という言葉に工藤の見解を聞こうとするもカラオケを始める工藤。
曲は玉置浩二の田園。
歌詞の途中から鯨井を見つめながら歌う工藤。
歌い終わり酔っぱらって横になる工藤に対しお礼を言う鯨井。
彼女を横目で見た後、また頼まれてやってもいいと言う工藤。

夜逃げのように居なくなった人。
恐らく陳さんだけでくかなり多くいますよね。
グエンさんも突然消えたと言うし。
消えた先は何処なのか。
もう一つのパラレルワールドなのか。

今回工藤さんが歌った田園。
歌詞がやっぱり良いな。
特に訴えたいところ(令子ちゃんの目を見て歌うところ)はサビ。
ただ、本当にどこへもいかないのか?と尋ねたくなる。
令子ちゃんと鯨井Bは別人だと思っていても、それでも惹かれてしまう。
ガワの問題なのか、否か。
例え同じ身体でも中身が違えば当然別人。
だけど、惹かれて行くのは違う、裏切り、など思ってもどうしようもないですよね。
だって、鯨井Bとは違うけれど令子ちゃんとも一緒に時間を過ごしたら惹かれて行く。
でも、それは裏切りなのでは?
本当に好きだと言う感情と言っていいのか?
もう、令子ちゃんに惹かれているのも分かる描写がどんどん増えている。
なんか工藤さんが必死に感情に抗おうとしているっぽくて見ているこちらがきゅーとなる。
ジェネリックロマンス、だからなぁ。
それこそ後から出るものだからより良い物を、でしょ?
……どうなんだろうなぁ。

あと、今回も小黒登場。
出前などいろいろなバイトを掛け持ちしているところが「何処の境界線にも現れる」ようで気になる。
41話の感想はこちら。

natuhadukioku.hatenablog.com

 



 

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