漫画雑記

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『双生遊戯 第1巻』ネタバレ・感想

消したいけれど、消せないもう一人の自分

布袋組―…関西一の巨大組織。
四代目の金子千万億(かねこ ちまお)が大きくしたと言われている。
その四代目が時期組長を選ぶ際、一つ問題があった。
それは千万億の息子が双子だったことだ。
千万億が五代目を息子のどちらかに譲る、と宣言したことにより組の中でも兄・琳と弟・塁派に分かれてしまった。
琳は今までのやり方を大切にし、新しいことを嫌う。
類は今までのやり方を壊し、新しいことを望む。
そんな二人は小さな頃から常に張り合ってきた。
顔を合わせれば一色即発。
だが、二人は双子であり、互いの考えが嫌になるほど分かるため決着はつかない。
その上、二人は憎しみだけでなく唯一の存在として惹かれあっていたのだった―…。

琳と塁は容姿から徹底しています。
双子でそっくりだけれど、琳は黒、類は白。
また妻も琳は五人、塁は未婚。
シノギの仕方も今まで通りのことを大きくして着実に資金を増やす琳、新しいことをして資金の底を尽かせる塁。
どちらも千万億は認めていて、資金がなくなった塁に追加の資金を出すほどなのでこの辺りは問題と考えていないようです。

この重要な後継者問題を任されたのは、二人を小さな頃から見ていた古庄ですが、自分は決められないと新人の塩田に一任します。
塩田は組に染まっていないため、客観視できるとの判断のようですが、単に可愛がってきた二人の内どちらかを消すなんてできない。
そんな心情が伺えます。
なんといっても、塩田に渡すための琳・塁の成長記録があるくらいです。
その上、基本編とあるので応用編もあるのか?と疑問が。

ヤクザもので後継者選び、組は二分されている。
こうなると殺伐としているだけかと思いそうですが、ところどころ不思議な感じで面白さ(おかしみ?)を入れてくるのが良いです。

互いに憎しみと愛情があるため、全てが拮抗したままというのが何とも。
平然と人を殺したりしていますし、血みどろな場面も多いです。
ヤクザものがお好きな方なら平気な描写ですが、そうでない方には少しきついかもしれないです。
また、愛憎がテーマなので兄弟で舌を絡めるキスなどもしっかりと描かれています。
綺麗な絵でキスしているだけなのに、設定がおかしくて面白み(おかしみ)が出ていると思うんですよね。
お互いの構成員の前で延々キスするの、どうかと思うけれどここが拗れている要因なんでしょうね(しかも応援が入る…初めて見た塩田も驚きますよ)
この辺りも苦手な方はご注意ください。

小ネタなどを先生のSNSにて発信されているようです。
こういう小ネタ好きなのですが、一冊にまとめていただけると喜ぶタイプです。

1巻の発売が10月6日だったのに、2巻は12月6日に発売予定なので、すぐに次の巻が読めるのも嬉しい。
連載誌が週刊ヤングマガジンなので、この先もコミックス出るのは早いかな、と期待してます。
現在22話でコミックス収録6話。
考えたら週刊のスピードとしてはとんでもなくないかな?
そう思って確認したら、1~3話がページ数多目で、その後は週刊誌ペースかな?
2巻以降は8話くらいの収録になりそう。

双子の片方のみが生き残れるという物語なので、どちらの派になるかで読み進めるのが辛い時が来るのかな?と思いますがどういう風に決着をつけるのか楽しみです。


紙書籍等

岡田 淳司 講談社 2021年10月06日
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