漫画雑記

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『九龍ジェネリックロマンス』43話ネタバレ・感想

後に生まれた人格は最初を超えるのか?

九龍ジェネリックロマンス 眉月じゅん ヤングジャンプコミックス 集英社

 あらすじ
楊明と喧嘩をして会えない令子。
工藤と食事をし、考えるよりも行動が必要だと楊明に会いに行く。
そこで楊明に令子の前の自分は嘘で固めた自分。
本当は違うのだと告白され、令子の出した答えはー…。

42話の感想はこちら。 

natuhadukioku.hatenablog.com楊明としばらく距離が出来てしまうのかな?
そう思っていたので意外と早く仲直りしたので拍子抜けしましたが、ここを長くとる必要はない、という判断なのでしょうね。
ずっと母親の影に隠れて、母親の言う通りが正しいと思っていた楊明。
ようやく「あなたはどれが好き?」という自分の意見を求められた。
憧れていた「自分を求められる」行為。
これだけで楊明にとって令子がどれほど大切な存在かわかります。

令子は今までがない。
楊明は今までを捨てたい。

互いに「新しい自分」だけれど、過程が違う。

今回の一番はアイキャッチの工藤さんが本当に優しくて良い男っぷりムンムンでびっくりした(いえ、あの、物語上重要な発言も沢山ありましたよ。えぇ、ありました)

工藤さんは工藤さんで令子と鯨井Bのことを考えているんだろうけれど、傍にいる令子にも魅力を感じている。
同じような器で中身が違うと分かっていても、知れば知るほど惹かれて行く。
でも、そのきっかけは鯨井Bの存在で、今の令子を受け入れてしまえば裏切りだとか令子に対して失礼だとかそんな感情が綯交ぜになっているのかな。
この先令子と歩むことを決めたとしても「鯨井B」がちらつくだろうし、いくら中身が違うとはいえ悩み続けるのかな。
これって双子でどちらを選ぶの?に近いかも。
いや、「双子」と「同じような人間」というのは違うだろうけれど。
コピーロボット(『パーマン』藤子F不二雄)の方がより近いのかな……。
あれもコピーと言いつつ差異がある時点で違うもの……。

楊明の過去が明かされて、解決もしたので彼女の話はこれで終わりなのかな?
あとは令子の友達、理解者として傍にいるだけなのかな。
母親関連でもう一度何かあるのかどうなのか。

みゆきちゃん関連が大きすぎるのでどこまで解明されるのかが気になります。
個人的に「グエンさんと幸せになってくれたらいい」という気持ちが強い。
こればっかり言っていますが、本当にそれだけで良いと思えてきた。
いや、まぁ、本当にそれだけで終わったら好きな人たちからもの凄く怒られそうだけれど…。
私も「ジェネリックテラとは?」とか平気な顔で言ってそうですけど……。

あと、工藤さんが楊明のことを「ミシンのねーちゃん」と呼ぶ度に令子はしっかりと訂正するんですよね。
単に「失礼でしょ」、という観点かもしれませんが名前というか個人に意味を持たせるためにも毎回このやりとりをしているのかな。
個人に纏わるもの全てが重要という意味で。
記憶の無い令子だからこそ、余計にこのやりとりが活きている気がする。
いや、単に工藤さんの性格付けのためなのかもしれないけれど。
それにしても今回の工藤さん本当にカッコいい顔ばっかりでずるい
なんでなのかな。
畳みに入っているのかな、いや、まさか……何も明かされていないのに(先程と矛盾の発言


44話の感想はこちら。

natuhadukioku.hatenablog.com


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