漫画雑記

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物語の始まりと最強メイド・ロベルタ登場『BLACK LAGOON 1巻』ネタバレ・感想


アウトローだから、なんだって?

BLACK LAGOON 広江礼威 SUNDAY GX COMICS 小学館
2021.8現在11巻まで発行※8/19に12巻発売予定

あらすじ
日本企業に勤める岡島緑郎は仕事で来ていた海外でラグーン商会と名乗るものたちに捉えられてしまう。
彼らは様々なものの運送を中心としているがいわゆる何でも屋であり、今回もロシアンマフィアからの依頼で緑郎が持っているディスクを奪いに来た。
突然の出来事に緑郎は混乱するが、会社が助けてくれるだろうと思っていた。
だが、会社は利益のために緑郎を切り捨てることを選択した。
その事実に打ちのめされる緑郎だった―…。

 1巻は読み切りでもあり世界観の説明でもあります。
各登場人物についてはこちでざくっとまとめています。

natuhadukioku.hatenablog.com
#0 Black Lagoon
あらすじは冒頭部分になります。

この1話が本当によく出来ているなぁ、という印象。
ドキドキ感やスカっと感、あとこの先どうなるの…?というワクワク感がたまらない。
ぎゅぎゅっとまとめられていて本当に良い。
この時点でどの程度物語を作っていたのかはわかりませんが、全員キャラがたっていて、良い。
一流企業と呼ばれる会社に勤め安定した職につき、不満はあれど、何かを壊したい訳ではない。
そんなロックがなぜこんな不安定かつ危険なラグーン商会にとどまろうと思ったのかがよくわかる。
箍が外れた人間が一番厄介でヤバい、という象徴のようなロック
70ぺ―ジ内でしっかりオチまでついているし、「この先は皆さんで想像してね」とも十分できる内容。
絵柄のせいかみんな若く見える。

#1 Chase for ring-ding ships

ホテル・モスクワの怖さを知らしめる話。
あとは、ロアナプラの規律(暴力でねじ伏せ、勝手に作ったものも含め)を破るとどうなるか、裏切り者はどれほどの鉄槌が下るのかがよくわかる話。
ダッチはこの時点で「フライアーズカンパニー」名義で12万ドル送金しています。
この件に関しては11巻まで解明されていません。
レヴィのオフについての詮索は嫌われる、が大体のキャラクターが謎に包まれている答え、みたいな気がします。
皆いろいろな過去があり、何かを考えている。
だけど、それをわざわざ職場の人間に明かす必要は無い。
ただ、仕事をこなすのみ。
でも、こうなると後付け設定しやすいな…と思いました。


#Rasta Blasta1-3
あらすじ
ラグーン商会に少年を運ぶという依頼が来るも、その少年・ガルシアが実はラブレス家の当主の息子、ということが判明する。
その上でガルシア奪還のためにメイドの姿をかなぐり捨ててロベルタが追いかけてくる。

まずは、この話の重要なところの紹介。

ラブレス家
南米13家族の中で落ちぶれた貴族と呼ばれている。
地質調査の結果、レイアースあることがわかりマフィアと揉める。

ガルシア・ラブレス
ラブレス家12代目当主。
幼いながらも貴族としての誇り高さと真っ直ぐな信念を持っている。
使用人含め、全てが家族。

ロザリタ・チスネロス(ロベルタ)
暗殺訓練を受けたゲリラでありテロリスト。
国際指名手配中で生死を問わず40万ドルの懸賞金がかかっている。
ラブレス家に拾われ、忠誠を誓っている。
ガルシアの前ではメイドを徹底している。

ロベルタ登場
読み返すと3話連続の短い物語だったのに人気があって常にキャラクターグッズの時には出てくるイメージ

最強と言われるロベルタ登場なんですが、怖い
表情は一切なく、傘が機関銃になっていたり、スカート持ち上げ挨拶をすると手榴弾がゴロゴロと大量に転がってくる。
車で逃げようとすると追いかけてきて(どんなスピードで走れるの)メリケンサック付きのサバイバルナイフをトランク部分に突き刺して乗り上げる。
そのままの体勢で銃撃戦を難なくこなす。
車から落ちても怪我なく更に追いかけてくる。
怖い……怖すぎる……。
そして若様(ガルシアくん)をかーえーせーと追い詰めてくる。
貞子ばりの見上げ方。
接近戦ももの凄く強い。
銃の取り扱いはもちろん、肉弾戦もお手の物。
怖い……。
ただし、『BLACK LAGOON』に出てくる女性、皆さんそのくらい強いところが一番怖いですね。

ロベルタはガルシアくんに対しては本当にデレが酷いところが可愛い一面ですね。
他に対しては超塩対応というか、塩どころかキャロライナ・リーパー(辛さがギネス認定のトウガラシ)でも足りないくらいの対応なんですけれどね。
ガルシアくんに対してだけは、本当にデレが酷いんですよね(大切なことなので繰り返します)

一方、ガルシアくんにとってはロベルタはメイドであり大切な家族。
だから目の前の光景が信じられない。
あの優しいロベルタが…?
自分の中のロベルタがバンバン壊されていくわけですが、そこは流石ロベルタが忠誠を誓ったというラブレス家の次期当主。
少年、と言われる年齢でも誇り高いことがよくわかる。
ロベルタに対しての対応も素晴らしい。

この回では、ロックの会社勤めが活きています。
資材調達部にいたからガルシアくんがラブレス家の子供だとわかりますし。
ロック、真面目だったんだな……ラブレス家の状況だけでなくガルシアくんの家で飼われている犬事情も把握している。
このロックが日本で働いてたことで判明する事はこの後も何度か出てきます。
ここだけ見るとロックは優秀なのに、と思いますが適材適所はありますからね。
旭日重工(日本の一流企業)では合わず、ラグーン商会というかロアナプラで良かった、という。
勤勉で物覚えの良いくらいなら、一流企業ともなればどれだけでもいるしそれこそ「代わりがきく」ということを端的に現しているのだと思います。
この1巻はラグーン商会においてロックは「代わる人がいない・ロックでなければならない」ところまでもっていけるかどうかという話でもあります。

ロックの甘さ、というものがここで出ていますがこの良心(敢えてそう呼びます)の部分がこの先の物語を左右して行くし、ロックの変化も現している。
優柔不断ともとれるし、目の前で困っている人間(とくに弱いとされる対象)への感情。
日本とロアナプラの差。
そういうものがガルシアくんとのやりとりで見えるところがいい。

BLACK LAGOON』は基本的にどの話も自分の信じるものが最優先であり、それ以外のものは徹底的に排除して構わない。
この思想があるため立ち位置によって見えるものが大きく違う
自分の思想が絶対というこの揺るぎなさがないと話としてはまとまらない。
話し合いなんて無駄、さっさとケリをつけるぞという思想なので常にドンパチする作品。

最強、最凶、最狂。

どの字も当てはまるのがロベルタ、とまとめたかったのですがやっぱり『BLACK LAGOON』に出てくる女性全員当てはまる。
読み返すと3話という短めの話なのに、ロベルタの個性と属性が強すぎてなんだか凄い。

面白い話ですのでお勧めです。
ドンパチ多めですが(それはほぼ毎回)後味悪い話はないので安心の1巻です。


紙書籍等

広江礼威 小学館 2002年12月12日
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