『九龍ジェネリックロマンス』48話　ネタバレ・感想

後に生まれた人格は最初を超えるのか？

あらすじ

目を覚まし食事をとる令子。
テレビには蛇沼が出演している番組が写っている。
蛇沼は不老不死には記憶の保存が最も重要だと言う。
SNSにて蛇沼の言葉に反応する意見を読む令子。
記憶の保存と複製した体があれば、以前と同じ人間をつくることが可能という意見。
そんな中、楊明から食事をどこにするかというメールが届く。
そしていつもと同じ様に工藤は就業時間ギリギリに滑りこんでくる。

47話にて闇の中を歩いているようだ、と書きましたが48話では少しだけ灯が見えたような内容でした。
これがまた更なる闇を産むかも、と思うと震えるしかありませんが。
47話感想はこちら。

natuhadukioku.hatenablog.com
みゆきちゃん曰く、記憶さえ残っていれば不老不死が可能。
つまり過去の記憶をクローンに移植してしまえば以前と同じ人を造る事が出来る。
あくまで、つくる事、ではありますがね。
ここでの「つくる」は「造る」よりはイメージ的に「創る」かと思いましたが、先生としては「造る」のようですね。
あと、SNSで検索よけの指摘などがあったことから、蛇沼グループというかみゆきちゃん、しっかり監視しているんだろうな。
あのツイッターもどき（名前がわからない）の運営会社とズブズブなのかな。
情報操作をしつつ真実に辿り着きそうな話、陰謀論的な何かを徹底的に封鎖してジェネリックテラの完成、そしてジェネリックという人間のクローンを完成しようとしているんだろう。
そこまでしてしたい復讐ってどんなものなんだろう。
母親の再現だとか何かなのかな。
最初は『1000年女王』（松本零士）や『エヴァンゲリオン』（庵野秀明）系（系ってなんだ）なのかと思ったけれど、ここも聖書になぞらえて原罪モチーフだったりするのかな。

今回記憶さえあればその人を再現可能、とあったけれど以前「令子はホクロまで再現されているのはおかしい」（要約）とみゆきちゃん言っていたんですよね。
クローンにホクロは無い（わざわざつけない）、なので本物の体から記憶を抜いているということになるのかな。
あと、令子が使用している口紅はEDENというものでリンゴの香り。
まんま聖書のアダムとイヴの創世記なわけですが、こうなると工藤さんと令子がそこに当たるの？
九龍という楽園から追い出されてジェネリックテラに行くの？
しかも令子はリンゴの香りを知っているから、工藤さんが感化されていくの？
……人口問題から人工衛星作ってそこを新たな楽園にするという話なの？
疑問符が一杯ですが、少しずつ明かされた感があって良かった。

みゆきちゃんにとっての相手はグエンさんであってほしい。
本当に幸せになってほしい……。
お互いに楽園（九龍）の物に手をつけていないけれど、いずれどうにかなりそう。
ここでノアの箱舟要素を入れるなら番制度をいれることになるけれど、そうすると陳さんあたりは番がいたのかどうか、他の不明の人はどこに行った、になるし。
あと、グエンさん（偽物というか2人目）がもしジュネリックテラにいるならば、みゆきちゃんが九龍のものを食べた時点で飛ばされたりするのかな。
何かの拍子でうっかり口にしてしまい、飛ばされるとかあったらグエンさんもその場で物を食べて追いかけそう……。
そうじゃないと、違うみゆきちゃんがやってくるものね。
そのみゆきちゃんは復讐に囚われていないみゆきちゃんかもしれないけれど……そのみゆきちゃんと二人で暮らすとなると平和だけど、辛そう。

楊明に関しては何も言われていませんが、整形してしまうとジェネリック（クローン）出てこないのかな？
小黒の謎もそろそろ踏み込むかな～と思っています。
小黒の謎はひとつも解決していませんしね。
ひたすらどんな場所にでも現れて、過去を持っているということ以外不明。
どこにでも現れるため小黒をチェシャ猫のようだと表現しましたがこれで本当に単に金欠でバイト掛け持ちだけだったら深読みと言うか先生に踊らされているだけですね。
いや、先生もそんな勝手に踊るなんて知りませんよ、となるかもですが。
余りに複雑すぎてどこもかしこも伏線張ってるんじゃ…という気分になっているんですよね。
風水ネタだってどう転ぶのかな、と思っているし。
※風水についてはまだ勉強していません（やるやる詐欺です）

今回、令子の朝食の風景がやけに丁寧に描写されていたのですが、1話目はスイカだけだったのが、今は他の物も食べている。
あと、通勤の様子も丁度同じようなカットどけど、口紅をつけたり一人ではなく小黒との挨拶、楊明とのメール等で鯨井Bと令子は同じ生活をしているけれど、違うということが示されている。
結構ハッキリとした対比になっているのでここで一度仕切り直しというか、ここから令子が工藤さんに思い切りぶつかっていくのかもしれない。