多感な時期だからこその美しさと残酷さ『回転銀河』感想・ネタバレ
6巻まで(2020年4月現在)
※ネタバレ気にしない為苦手な方はご遠慮ください。
海野先生と言えば「逃げるは恥だが役に立つ」(全11巻)が代表作(講談社漫画賞受賞少女漫画部門)として挙げられるかと思いますが、私はこちらの作品で。
因みに社会現象とまで言われた逃げ恥ですが、ドラマ化した時かなりみくりちゃんの小賢しさがやんわりとしましたし、私の中のみくりちゃんのイメージと違うな~思いました。総じて新垣さん可愛い、なんですけれど。
話毎に登場人物が異なりますので主要人物は割愛。
回転銀河はある高校を舞台にそこに通う人達の話。一話目の姉弟と関わりがある人を次の話の主人公に回して行くという展開でした。
以前発刊された『Kissの事情』、『デイジー・ラック』の中に出てきた人物の話もあり、あの後こうなったのか、と思わぬ形で知ることになりました。
好きな話は姉弟と双子と和倉ちゃんとあとは「ごしきひわ」。どうしてもこういう関係が好き。江梨奈ちゃん可愛いな。こういう我儘でどうしようもないタイプに弱いので。勿論ピアノの先生込みで。
思春期の壊れそうな危うさみたいな話が多いかな。
『Kissの事情』の「少年人魚」という作品は先生が相当気に入っているのかその後『tsunamix2』にも収録されましたね。『Kissの事情』が廃番になったというのもあったことと回転銀河に続編を描かれたからだと思いますけど。(今確認したらその後Kissの事情も新装版出ていた)
続編に関しては回転銀河始まりの姉弟の話を絡めてですのでこの二人の将来とかを示唆するのに丁度良いのかもですが。
個人的な感想として「この後どうなったのかな~」期間が楽しいというのもあり続編というのは結構怖い時も有ります。ドキドキ感を持っていた方がその作品を楽しめる気もする、という。
実際あー…となることも多いのですが勿論それは個人的な話ですし作者がこういう形に落ちつけたかったのだと言えばそれは尊重というか、作者の子達なわけですから片想いしている身でどうこう言うのもなぁ、と思いつつまぁ、思ってしまうのですが。
勿論あーそうなったの! 嬉しい!という場合も有ります。続編って本当に難しいと思います。綺麗に終わった場合は特に。ちょっと色気、じゃないけれど出した途端上手く行かないという。読者のというか私の我儘ですよね。こうあって欲しい~好きだからどうか~、という。でも漫画でも何でも作品はその一場面を切り取るのだからその先はどうなるかわからない…。わかっていても、感情移入まではいかずとも思い入れがあればあるほど「あー」となってしまう。
デビュー作以降絵柄の系統は変わらずですが『Kissの事情』、『ゴールデン・デリシャス・アップルシャーベット』この辺りが好きです。決してデジタル処理絵が苦手な訳ではないですが、海野先生に関しては昔の方が好き。
絵柄で一番攻めているのは『西園寺さんと山田くん』かな。3話構成で全て絵柄を変えてくるという…。なかなか勇気がいると思うんですよね。この本も収録作品全て好きです。
Kissの事情はどの話も好きですが特に最初2話が好き。好きです。ゴールデン~でも同じく最初2話かな。表題作の梶君はどうかと思うのですが、まぁやっぱり世の中上手く出来ているものだな…。
あと海野先生の作品には「若気の至り」、「若さゆえの傲慢さ」みたいなエピソードがちらほら入りますよね。余りに続くとちょっと…と思うのですがその後やんわりと包む話で終わるので良いのかな…。
梶君に関してはやっぱりなかなか難しいと思いますが、美佐ちゃんだからこそ上手く行く。そしてあとがきにも編集部の方に「かっこいいからいいんじゃないですか」と言われとあり、それが全てですよね。少女漫画ですから。もう一作のGirlyはどのキャラも好きです。
海野先生は服と料理が好きなのかな。所謂少女漫画内の流行り服ではない感じ。私が持っている中ではひうらさとる先生とか花田祐実先生もそんな感じがします。
逆に少女漫画らしい服といえば武内直子先生や松苗あけみ先生かな。少女漫画、キラキラという感じ。
個人的に『回転銀河』は綺麗に終わっていると思っていたのですが、一話完結故にいつで始められるし編集の方も希望されているとのこと。新装版は読んでいないのですがそちらに次話について語られているのかな。書き下ろし4コマだけのようだし購入予定は無いのですが。購入予定も無かったので表紙を今確認したのですが6巻江梨奈ちゃんなんですね。驚きました。
回転銀河と書いているのに海野先生の作品が好きという語りだけですね。
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