漫画雑記

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『売れっ子漫画家×うつ病漫画家』ネットで話題の作品を読みました。

www.pixiv.net
漫画家になれて嬉しかったはずなのに、好きな物ではなく望まれる物を描き続けた結果、漫画を描くことが苦痛になった漫画家・矢晴とその漫画家に憧れていた売れっ子漫画家・純の話。


話題になっていたので読みました。
BLなので苦手な方はご注意くださいね。
執着ものの怖さがある。

 


話も面白かったけれど何より描くスピードに驚いた。
描きためていたのを一気に出したのかな?と思ったら8日間で127ページ描いてその間に映画みたり遊んだりしました、とあるのでもの凄く速い。
もちろん、デジタルなので色々駆使したとは思いますが、それでも速い。
人物の動作描写はもちろん、背景もしっかりあるし。

BLかGLか悩んだ、とありますが同性である必要性が出てくるのかな?
いや、単に同性が好きなだけかもしれないのですが。
恋愛要素絡める際、純さんのようなタイプは性別は瑣末なこととするだろうけれど(同性異性など問題ではなく、あくまで対象への執着のみという意味)、矢晴さんが受け入れ拒否で荒れる展開なのかな。
とにかく会話が通じないというか、噛み合っているようで少し隙間がある感覚が怖い。
純さんの「ずっと好きだった、憧れの人への執着」が怖い感じで出ていて、何となくそこに売れっ子の感覚の闇に近いものが見える。

矢晴さんは純さんの才能をまざまざと見せつけられて、自分への肯定力がガクっと低くなり好きだったものをどんどん嫌いになっていくのが辛くて仕方なくて。
そんな時に現れるのが「自分のファンだと言って憚らない人気漫画家
しかも、才能を見せつけてきた相手。

矢晴さんは受賞して好きだった漫画を職業に出来て嬉しい、単行本が出て嬉しい、作品が認められて嬉しい。
嬉しいが多かったのに、売れない=存在価値に繋がるのが辛い。
これはどんなことでも同じなのですが、必ずしも全てが一致しない。
一致しないからこそ、打ちのめされてどんどん自信がなくなっていく。

スパダリが立ち直すまでの二年間とあり予定では3,40話程になるとのこと。
作者の中ではしっかりとオチまで考えてあるのでしょうね。

これだけ話題作になり、画力も申し分ないので声がかかって連載しそう。
しかも恐ろしく速い。
最初、プロの別名義だったりしないかな?と思ったのですが、どうですかね。
この作品しかないし。
凄く描き慣れているし、同人活動されているのかな。
SNSの普及によって本当にプロへの扉が開きやすくなってるし、思わぬところで道が出来たりして人生変わっていくんだろうな。
Pixivで多くの作家さんが生まれてるし、凄いな。
作家さんたちのあくまで趣味で描いていたものが一気に注目されて階段駆け上がる、みたいな展開になっていく。
その様子を読んでいた方とすると「うわぁー!」と見れる喜び。
そこが本人自ら雑誌に応募するのとは違いますよね。
あと、スカウトされた後も或る程度知名度があるから連載へのハードルの低さもありますし。

今後はお仕事の関係で更新スピードはゆっくりになるようですが、楽しみ。
仕事ではなく、好きで描いているのだから無理をする必要もない。
読めるだけで良いし、有難い。