漫画雑記

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浦沢直樹の漫勉neo『柏木ハルコ』

7月14日 浦沢直樹の漫勉neo『柏木ハルコ』 Eテレ 再放送

 柏木先生の住んでいる神奈川県鎌倉市にて対談。
先生が行きたかったという喫茶店

浦沢先生の柏木先生の印象
・デビュー当時から知っていた
・天才現る

同じ雑誌に連載しているというとのこと。

部屋には30cm以上のフィギュアが並ぶ。
デッサン人形の代わりとのこと。
作画方法は立ったまま。
この描き方になって5~6年ほどだそうです。
確か久保帯人先生もそうだったと思ったのですが、検索しても出てこなかった。

使用道具はGペン→面相筆→丸ペン
安彦先生に続き線画が筆……もしかして筆派は結構いらっしゃるのかな?
ただ眉や目はGペン、髪の毛の細かい処理は丸ペンといったように使い分けているようです。
柏木先生の面相筆使用はデビュー当時からとのこと。

食べるシーンが印象的、という話から「衣食住の中に必死にさ、生きる思いがつまってる」(要約)との言葉。
浦沢先生も『MONSTER』で食べるシーンについて語ってました。
MONSTER』では食べるシーンが重要な場面で来るんですよね。
丁度使われていたのはアンナが天馬にサンドイッチを用意した場面でしたが、本当に良いシーンだった。
あと、幸福の象徴みたいな感じで使われたりするのも良かったな。

絵柄については「手慣れた描き方だと枯れて行くから意識して変えた」(要約)という会話。
浦沢先生は割と初期から絵が確立されている印象でした(※もちろん凄く巧くなっている)
恐らくこまごまとしたところが変わっている……と思うのですが、技術的なことはよくわからず「ひょえぇすごいぃ」しか言わない読者です。
あだち充先生も割と初期から決まっているイメージ、あとは松苗あけみ先生。

お二人が感銘を受けたという『火の鳥』(手塚治虫)はやっぱり凄いのだろうな。
こういうその人にとっての一冊、というのは凄く重要だけどその後その時感じたものをどう昇華するかでまた人生が変わっていくのが面白い。

柏木先生が影響を受けたのは『週刊少年ジャンプ
丁度『Dr.スランプアラレちゃん』(鳥山明)が連載中で真似していたとのこと。
ジャンプは本当に手に入らない時代もあったりと懐かしい。
あとはネットで早バレなどが流行って結構出版社側は大変だったみたいだけど。
少年誌ではジャンプとコロコロとボンボンを読んでました。

浦沢先生は「だからあの感じか~」と納得していました。
あのポップな感じ!
鳥山先生は本当に多くの漫画家に影響を与えていると思います。

カラーは水彩紙。
水色→ピンク→黒とシャーペンを変えて下描き。
主線はグレーの筆ペンを2種類。
ここも筆ペンなの…?
カラーインクで着色。
Dr.Ph.Martin's(ドクターマーチン)使用。
国内販売終了というニュースに驚いたけれど、結局また販売されることになって良かった。
このカラーインク、本当に綺麗な色でついつい集めたくなる。
だけど、描く機会があまりないためダメにしてしまう……勿体ない。
顔彩も美しくて大好き。
膠を溶かさなくて良いし、凄く便利だった。
だけど、描く機会がないから手放しました。
岩絵具は岩絵具で美しかった。
お高いけど。
色を揃えようと思うと大変ですよね。
でも、小分けの瓶に入っているの、キラキラしていて好きでした。
こういう番組を見るとまた描きたいな~と思いますが、恐らく揃えたらそこで満足するのだろうという未来が見えます(ダメダメ)
柏木先生はパレッドではなく、食品トレーを再利用しているとのこと。
ま、何でもいいんですよね、塗れれば。
先生とは違い面倒くさいのでその辺にあるものでいいだろうと手を出すタイプです。

失敗できないという緊張感の中カラーインクを塗るの良いなぁ。
描き直すしかない、というあの緊張感……。

柏木先生は生活保護をテーマとした『健康で文化的な最低限度の生活』現在連載中。
ドラマ化もされていますね。
作品を描くにあたって、取材をしたけれどケースワーカー生活保護を受ける人が互いにどうして理解してくれないんだ、という感じに思えたと仰ってました。
「理解し合えない人同士でも理解をしなくてはいけない」(要約)
こう思いながら作品を描いている。
でも、これは全てのことにあてはまると思います。
理解なんてできない、そう思うけれど生活していくにはどこかで折り合いをつけていくしかない。
だけど、片方だけが歩み寄ってもこじれるので難しいですね。
でもでもだって」はもちろんわかりますが、それだけだと永遠に平行線なんですよね。
歩み寄るぐらいなら理解されなくてもいい。相手をねじ伏せるまで徹底抗戦するぞ!
こういう人もいるのでどうしようもない問題でもありますが。
※別にその考えは考えでいいと思います。ただ、話し合いにはならないというだけで。

今回もアナログ技法沢山見られて良かった!
デジタルとは別腹でやっぱり美味しい。
トーン処理はデジタルかな?と思ったけれど、浦沢先生の要望にて主人公のマスク下の口の形を描いた時に貼っていたっぽいので、どうだろうか。
ペン入れもテンションあがるけど、カラーもいいなぁ。

次回7月21日は押見修造先生です。